書斎 〜参〜

□エスカペイドG
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「シリウスー、今日の放課後どっか寄る?」

「おう――あ、あぁ!やっぱりパス、今日俺やることがあんだよ。リリーとデートしとけ」

「えー!せっかく3人で制服デートしようと思ってたのに」

「また今度な」



つまらなさげに口を尖らせたジェームズを、隣へ来たリリーが宥める。



「いいじゃないの、シリウスが気を遣ってくれてるんだし」

「そうだよ、邪魔されて怒んならともかく、いないから怒られんのって理不尽じゃねぇか」



そうとだけ言うと、時間を確認してカバンを引っ掴み教室を出ていった。



「で、ジェームズ」

「ん?」

「シリウス、いったい何しに行ったの?」

「さぁ?何しに行くのかは話してもらってないんだよね」

「ふうん…」



頷いたリリーは、シリウスが駆け出した拍子に落としたのであろうメモを拾う。

中を見て、2人は顔を見合わせた。

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