書斎 〜参〜

□エスカペイドE
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次に目を覚ました時、ボクの眼前には真っ白な天井があった。


(ここは……病院だよね)


発見されて搬送されたんだろうか。

あれからどれほど経ったのか分からない。

病室の扉が開く音。

ぎこちなく首を回せば、そこには――



「…気がついたか?」

「へ……あれ、先輩…?」


驚いて身を起こそうとするが、胸元を走る激痛に断念せざるをえなかった。


「ふむ、起き上がれるほど回復はしていないが、冥界に片足を突っ込んでるわけでもないな」

「…えぇ、お陰様で」


か細く答えると、軽く頷いてあれからの事を話してくれた。


「すぐ俺が発見して、2人とも病院に搬送したんだ。お前はここへ、パトラスは救急車で別の病院へ。

どうやら、未だ意識は戻っていないらしい」


しかし生きている、と聞いてホッと胸を撫で下ろす。
 
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