書斎 〜参〜

□エスカペイドB
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「ねぇ、ジェームズ、シリウスは?」

「あぁ、部活見てから戻るってさ。何だかんだ言って後輩が可愛いんだよね」

「あら、そう」


授業が終了し、居残って勉強していたクラスメートたちもみんな帰宅してしまっている。

教室にいるのはジェームズとリリーの2人だけだ。


「それじゃ、シリウスが帰ってくるまで待ってましょうか」

「うん。でもさぁ、リリーは当然のようにシリウスも一緒に帰るつもりしてるよね。いいの?」

「…えぇ?別に何の問題も感じてないんだけど。ジェームズは気になるの?」

「いいや、全くなんだけどね。3人じゃないと今いち楽しくないし」

「でしょ?それに、こうして2人っきりの時間も作ってくれることだし」

「これ、考えてやってるのかな?」

「考えてると思うわよ。何せ、シリウス自身も恋する青少年だもの」

「ははーん、恋の機微に聡くなってるわけか」


クスクスと笑い合った。


「何なら、シリウスの厚意に甘えてキスの一つでもやっとこうか」

「ふふ、いいわね、それ」


そしてその言葉通り、ジェームズとリリーは身を寄せあい、ごく自然に唇を触れ合わせた。
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