書斎 〜参〜
□エスカペイドA
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のどかな帰宅時のS.H.R。
しかし、リーマスの告げた一言がしばしの狂乱を巻き起こした。
「はい、みんな鞄を机に置いて。これから持ち物検査を始めます」
「「「え、え!?」」」
「先生、ちょっタンマ!」
「油断してたー!!」
「僕たち、そんなの聞いてませんよ!」
「言ってないからね」
「……しれっと言ったな」
「あぁ……言った言った」
「はい、ぐちゃぐちゃ言ってないで素直に見せる」
その一言に為す術もなく、生徒たちは渋々といった様子で各自の鞄を見やすいよう机に置いた。
リーマスは名簿を片手に、一人一人の鞄を確かめていく。
形式的なもので、よほどの物が見つからない限り注意で済まされるだけだが、生徒達の顔に緊張が走った。
と言うのも、リーマスは少し規則や風紀に厳しいところがある。
名簿の約半数にチェックを入れるだろう彼の手間に、当の生徒本人達が同情のため息をついていた。