秘要書斎

□Please be...
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「お前こそ、俺の記憶と1oたりとも変わってないよ。捻くれた振りしてるくせに、根は純粋で真っ直ぐ。俺が知ってるミルザム・ブラックはそういう男だ」

「ふふふ…私のこと、少し買いかぶり過ぎではありませんか?」

「かもなー。けど、少なくとも、変わらないでいてくれたことが俺には嬉しい」

「変われなかった私が?」

「ミルザム、変わらないのと変われないのとでは全然違う」

「……ジョン?」






「お前は、あの頃からずっと、いつか訪れる未来の為に奔走してきた。
その努力を実らせた後まで、何を悔やむつもりだ?」






彼の言葉はけして間違っていない。

長い年月を費やして、私は人狼と黒の一族の関係性を、僅かながら改善させることに成功した。

今はもう、我々が人狼を狩ることは無くなっている。

問題は山積みだが、スタートラインに立てたことは大きいはずだ。




「ですが…失ったものは余りに多いのです…」

「うん」

「私は…貴方を失いたくなかった。貴方の隣で生きてゆきたかった…」

「うん、うん」

「シリウスに…あんな苦しみを味わってもらいたくなかったし…貴方の息子を……傷つけた…」




肯定も否定もせず、ジョンはただ頷く。

穏やかな表情を見ているうちに、長い間聞きたくても聞けなかった問いが口をついて出てきた。
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