秘要書斎

□シオンの丘
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「私は、ある意味では報いを受けたんでしょうねぇ。あの日から、幼いシリウスに“銀の手”を背負わせる羽目になりました」

「その、日から……っ!?」

「はい、彼に噛まれたから“銀の手”の能力を失ったのです」



淡々と話すミルザムとは裏腹に、リーマスの顔はどんどん青ざめていく。

彼は知っているからだ。

その人狼が、いったい誰なのかを。



「ま、待って下さい。ボクはその話を、マルフォイ先輩とシリウスから聞いたことがあります…」

「おや?話していましたか」

「その人は、その人狼って……ミルザムさんのご友人って……!」
















「『ジョン・ルーピン』。学生の私にとって、唯一友人と呼べる相手でした」



















物音一つ響かない静寂が訪れた。

ミルザムが告げたのは、他ならぬリーマスの父親の名である。

言葉を探すリーマスに、ミルザムは問い掛けた。
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