書斎 〜参〜
□エスカペイドH
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「ああ、そうだそうだ。ルシウス先輩と一緒に食べる約束してたんだった」
「ルシウスと!?」
「うん、そういうわけだから諦めなさい」
ひどく棒読みじみた口調でまくし立て、ごまかすように学級日誌を手に持った。
「それじゃ、これから会議だから。下校時間は守ること、分かったね?」
「あ、先生!」
言うが早いか、リーマスは教室を出ていく。
シリウスは小さく呟いた。
「先生、照れてらぁー…」
「おいおい、あれを照れてるって言うのか?」
「違うのか?ディック」
座っていたディックが、シリウスの言葉に茶々を入れた。
「絶対違う。ところで、唐突にどうした?強引な展開じゃないか」
「ん、罰ゲーム」
「あぁ、昼休みのか」
「せっかくだから、ディックも見に来りゃ良かったのにな。シャイも程々にしとけよ?」
「ははっ、ずいぶん楽しかったらしいなぁ。ウエスタが話しに来てくれた」
そう言うと、キョロキョロと辺りを見回し始める。
「そういやさぁ、ジェームズは?」
「あ?ジェームズ?」
言われてみれば、彼の姿がいつの間にか教室から消えている。
シリウスとディックは、揃って首を傾げた。