書斎 〜参〜

□エスカペイドH
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地面に転がったシャトルを見つめ、シリウスとジェームズが顔を見合わせる。



「負けたな」

「うん、もろにコート内に落ちたね」

「しまったな、車に気をとられさえしなけりゃ…」

「そうだよ、もっと集中しなきゃー」

『こらこら当事者ども!もっとオーバーリアクションをとれ!あっけない幕切れにしやがって…』



リチャードが、拡声器片手に怒鳴った。

しかし観客たちはおおむね満足だったのか、ちらほらと自分たちの教室へ戻り始めた。

好奇心が旺盛な生徒はまだその場に残り、後の展開を見届けようとわくわくしている。



『おーし、じゃあ罰ゲームの発表いくか』

「おー!そうだそうだー!」
「シリウス、どんな罰ゲームを食らうんだ!?」
「半端な内容だったら、オレたちが代案出してやるかんな!」



主に男子陣から、からかい混じりの野次が飛ばされてきた。

リチャードはニヤニヤしながらシリウスの元へ歩み寄り、拡声器を渡す。

シリウスは手渡されたそれを受け取って、朗々とした声で内容を暴露した。








『俺、シリウス・ブラックは!ルーピン先生を、明日の昼食に誘います!!!』


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