書斎 〜参〜
□エスカペイドH
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「ねぇ、リリー。その流れでいくとジェームズもバカ認定じゃない?」
「当然じゃないの!こんなばか騒ぎを好き好んでやってるんだから」
最前列で観戦しているリリーたちが、くすくす笑いながら喋っている。
『えー、今回購入して頂いたチケットの代金は、まとめて共同募金へ寄付してあります。皆さんのご協力に感謝します。マクゴナガル校長はカンカンに怒ってましたけどねー。
ちなみに、各学年での売り上げ枚数1位は、3年6組と2年4組、そして1年5組でした!』
1位をとった生徒達は歓声を上げた。
それはすなわち募金額も多かったということになり、内申にも有利になる場合があるからだ。
『中でも3年6組は全員が参加――おや?違うな、ディックが買ってないぞ。
解説のソニアさん?』
『これはだな、ひとえに奴がああ見えて人見知りだという説明に尽きる』
「シャイボーイだしな」
「そういえば、人込みは緊張するとか言ってたよね。クラスでは別に普通なのに――って!?」
「おっしゃ」
ジェームズが解説に気を取られた隙に、シリウスの攻撃が襲い掛かる。
気付いたときには遅く、あえなく点が奪い取られた。
「卑怯者!」
「ふん、“作戦”と述べてもらおうか」