書斎 〜参〜

□エスカペイドH
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リチャードの問いに反応し、観客がシリウスとジェームズの身体に注目した。



『シリウスの方が若干筋肉があるだろ。それに、シリウスは腕の筋力がジェームズより上だ。ここは勝敗に関わる部分かも知れない』

『ありがとうございます。では実況を。

点数は……ふむ、やはりシリウスが2点リードしてますね。でもまだまだ逆転のチャンスは有りますよ』



その言葉にかぶさるようにシリウスのシャトルがコートを越えてしまった。




「アウト」

「ちくしょう。やっぱり互角ってとこか」

「だね。楽しいなぁ、シリウスとの真剣勝負って」

「あちー!お前も暑くないか?」

「暑い暑い!もう秋も末だっていうのにねぇ!」



唐突に、行き交うシャトルが速度を増す。

観客は目線だけで行方を追っていた。



『ソニアさん、体格的には有利なシリウスが点差を開けられない理由は何か推測できますか?』

『そうだなぁ。シリウスはパワーがある分コントロールに欠けてる。それが予想以上に足を引っ張ってるみたいだ』

『ああ、確かに何点かはアウトで奪われてますね』

『つまりは筋肉バカだ』

『はい、筋肉バカ』

「実況!解説!うっせぇぞバカ野郎!」

「ま、つまりは揃ってバカだってことか」



ジェームズの締めに、皆が大きく頷く。
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