書斎 〜参〜
□エスカペイドH
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自分のクラスの厄介な生徒達を送り出し、リーマスはふぅと息を吐いた。
まだ教室にちらほらと残ってはいるが、勉強をするために残る面々ばかりだ。
必要なくなった掲示物を外していたリーマスだが、肩を叩く手に気付いて背後を振り返った。
「何だ、ブラックか」
「えーっと、先生――」
「断る」
「即答っすか!?せめて話くらいは聞いて下さい!」
「これこそ、右から左へ流しておいていいかな」
「お願いですから吟味して頂きたいです」
シリウスは一度目を伏せ、言う覚悟を決めて一息に吐き出す。
「ルーピン先生、良かったら明日、俺と一緒にお昼食べませんか?」
「……………」
「………あの、先生?」
「……………」
「せーんせー?」
「……あ、あー済まなかった。今自分が何を言われたのか、脳の理解が追い付かなくって」
リーマスは固まってしまった思考をほぐすように、何度か頭を振った。
シリウスはわくわくしながら返事を待っている。
「悪いけど、断る」
「えー?何でですかー!」
「何でも!」
「納得できません」