秘要書斎
□チューリップ (7巻ネタ)
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その人にとって、自分はどういう存在だったのだろう。
未だにそれを知らない。
ただ知っているのは、けしてその人の愛情が自分に向かないこと。
他の人を、大切に思い始めていること。
(ねぇ、セブルス。私、私ね……)
(付き合ってみようと思うの)
(そりゃひどい人だけど…きっと変わってくれるわ…)
それでいいと思った。
自分を思えば、きっとその人を殺してしまうから。
それに、その人に愛される部分などもっていなかったから。
なのに、いつもその人は近くにいた。
ずっと遠くの場所にいても、心だけは昔のまま側にあった。
よそよそしくなっても
相容れぬ寮に組分けされても
いつもどこかで繋がりを感じた。
幸せで、苦しかった。