15万打リクエスト

□ケーキよりも甘く
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「行きたいところ?」

箸を片手に首を傾げた臨也へ、静雄は頷き返す。
どうして、と問い掛けてみれば、静雄は僅かに頬を赤らめて、そっぽを向いた。

「どっか、行きてぇな、って思ってよ…嫌か?」

呟くように紡がれたその言葉。
たったそれだけでワクワクして、臨也は溢れる笑顔をそのままに頷いて見せた。


臨也と静雄は付き合って1ヶ月の付き合いたてのカップルだ。
だから、と言うのも変ではあるが、二人はまだデートなんていうものはしたことがない。
臨也もしてみたくなかったわけでは無かったものの、学校でいつも顔を合わせているし何より静雄がそういうことは面倒臭がると思っていたため、誘ったことは無かった。

…だから、静雄から誘われるなんて思ってもみなかった。


「特に行きたいとこもないけど。シズちゃんはどっか行きたい?」

「…いや、別に何処でも」

一向に纏まらない気しかしない…。そんなことを考えたとき、ふと思い付いた。
購買のパンを片手に悩む静雄へ、臨也はひとつ提案する。


「シズちゃんの家行ってもいい?」




***
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