15万打リクエスト

□煩わしいほどの「好き」の行為
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「……キスくらいいいだろ」

「シズちゃん絶対キスで終わらないだろ?何れだけ一緒にいると思ってるの」

禁欲生活が始まって早3日。静雄は既に我慢も限界にきていた。
禁止されればされるほど、手を出したくなるのが常というもの。静雄はその真っ只中にいる。
遊びに来たくせに、セックスは勿論、キスも駄目、抱きつくのも駄目、と散々言われ、納得なんて出来るはずもない。
けれど、一度結んだ約束を簡単に破ればそれこそとやかく言われかねないため、僅かばかりの自制心を必死で働かせているわけで。

事実、臨也にキスをすれば、溜め込んでいるものが溢れる可能性は否定できない。自分が明らかに欲求不満なのは嫌でも分かる。

「せいぜいあと4日、頑張りなよ」

「……風呂行ってくる。気が向いたら帰れよ」

不満をありありと滲ませる静雄を、臨也はニヤニヤと笑いながら見送った。


風呂に入る静雄を考えながら、臨也は一人ほくそ笑む。
普段好き勝手やらせているんだから、1週間くらい縛ったっていい。動物だって躾けるのだ。人間だって躾が必要に決まっている。
…そう考えながらも、臨也自身も正直なところ静雄が解らなくもない。
付き合ってから半年、彼がセックスをした回数は、自分もセックスをした回数。彼が禁欲すれば、自分も必然的に禁欲。

「シズちゃんはがっつきすぎだから…」

まだ3日しか経っていないのに、自分から命令を取り消すなんてできない。
何だかんだ、自分こそ彼に嫌なほど躾けられているわけで。
自分が情けなくなりながら、臨也はトイレに行こうと廊下に出た。


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