15万打リクエスト

□寝息にキスを
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静雄は眼を覚ました。
見慣れた僅かに汚れた天井。閉めているカーテンの隙間から明るい光が射し込んで、バスタオルの放り投げたままの床を一直線に照らしている。
時計を見上げれば既に10時を過ぎていた。
でも起き上がるのも億劫で、再度温かな布団に潜り込む。

ふ、と手の触れた先。
隣には、黒髪が横たわっていた。
さらりと流れた髪の隙間から覗いた白い肌。ぱちりと閉じられた瞼すらも綺麗で、僅かに開いた赤い唇の隙間からはゆったりとした寝息が漏れている。

そうだ、昨日は臨也とセックスをしたんだ。
そんなことを思いながら、安らかに寝入っている恋人の漆黒の髪を指先で梳いた。


昨日は、臨也が家に遊びに来た。
夜だったためそのまま泊まることになって、夕食を作って、風呂にも入れてやって。
勿論、静雄は一人暮らしなため、ベッドは一つしかない。あとは布団を敷くか、ソファで寝るかしかない。
手前がベッドで寝るか、と問いかければ、臨也は悪戯な笑顔で静雄に言った。

「一緒に寝ようよ」

そんな表情すら愛しくて仕方がないのは、恋人だからかもしれない。
勿論、静雄も男だ。一つのベッドに恋人と入れば、色事に頭を巡らすのは当たり前。
臨也も満更では無いようで、昨夜から今日の夜中にかけて営んでいたわけで。


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