15万打リクエスト
□熱い夏には、
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暑い暑い夏の日。窓の隙間から蝉の鳴き声が染み入ってくる真夏日。
じっとしていても汗が吹き出る外の温度と比べて涼しい部屋の中で、静雄は休日を楽しんでいた。
何もすることがない日も悪くない。仕事は嫌いじゃないが、やっぱり週2日くらいはこんなのんびりした日も必要なのだ。
そんなことを考えながら、扇風機の前でテレビを見ていた時だった。
ピンポン
玄関から軽い音が響いた。
誰だ、と思いつつクーラーの効いた部屋を出て、玄関を開ければ。
「シズちゃん開けるの遅い」
「…何しに来たんだよ」
そこには、見慣れた黒い姿。
俺をシズちゃんなんてふざけた呼び方をする、折原臨也だった。
「手前、暑くねぇのかその恰好」
「俺のトレードマークだもん。
それに、セックスするときに肌白い方が良くない?」
「……馬鹿か」
臨也と静雄は、付き合っている。
会話の通り、キスもすればセックスもする、正真正銘の恋人同士。
臨也を家にあげてやり、おみやげ、と手渡されたスーパーの袋一杯に入ったアイスを冷凍庫に入れに行く。
予想通り汗だくな臨也がシャワーを貸せと喚くものだから、その間持ってきたアイスを勝手に食べることにした。
「シズちゃんらしいね、ちゃんと冷房28度って」
カップアイスを食べていれば、風呂から出てきたらしい臨也が髪を拭きながら冷凍庫を開けていた。
静雄の貸したシャツ一枚の臨也は、その中からソフトクリームを出して静雄の隣に腰を下ろす。
露になった太股はやはり白く、傷ひとつない陶器のような肌で。
「お前…パンツくらい穿いてこいよ」
「だってシズちゃんパンツ貸してくれなかったし」
「他人の下着穿きたいのか手前は…」
「だって汗で気持ち悪いから穿きたくないし。今洗濯してるからいいだろ」
そう言いながら、臨也はアイスを食べ出した。
…正直、困る。
シャツは確かに大きいから脚の付け根下まで隠れるが、だからと言って恋人の隣でシャツ一枚は、無防備すぎやしないだろうか…。
涼しい体に相反して熱くなってきたその場所を誤魔化すようにアイスを頬張る静雄を、臨也は面白そうに笑った。
「どうせ、エロいこと考えてるんでしょ、シズちゃん分かりやすすぎるよ」
「…だったら穿けっつうの…!」
顔を火照らせる静雄を尚も笑いながら、臨也は舌を出してアイスを舐めた。
…こんな空気だから、その無意識の仕草すらも艶かしく見えてしまう。
赤い小さな舌が白い山を下から上へ丹念に舐め上げる。
側面を満遍なく舐め取り、上に残った溶けかけたアイスを唇で吸い上げた。
最後に、唇についた白い液を、ぺろりと舐めとる。
幾度かその食べ方を続けられ、胸が締め付けられるような感覚に陥った。
駄目だ。あれはアイスで、決してそんな卑猥なものではない。
分かっている。分かっているけれど。
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