15万打リクエスト

□恋々依存
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ようやく唇が離れ、臨也は荒い息を整えながら、力の入らない目で静雄を睨んだ。

「シズちゃん、ってば…!びっくりしただろ、もう…っ」

キスで甘くなった声は、威勢も怒気も罵倒も、微塵も含んでいない。
そんな臨也を、静雄は優しく抱き締めた。
先刻の捕まえておくような抱き方と違う慣れないその腕に、思わず胸が高鳴る。
抵抗もせずに受け入れれば、吐息のような声が耳元で響いた。

「俺は、手前に依存してるんだよ…手前がいなきゃ、生きていけねぇ」

「…何言ってるの、今までいなくても生きてきたくせに」

皮肉を交えつつ言ってやれば、静雄は「そんな簡単なことじゃねぇんだよ」と呟いて、臨也の耳に唇を触れさせる。
ふわり、と生暖かい吐息が耳を撫でて、腰の奥がじんと疼いたのが分かった。

「…行きたいんだけど」

誤魔化すように声をかける。しかし、静雄は頑として臨也を行かせるつもりがないのか、さらに抱く腕を強めた。
呆れながらも、静雄の力を振りほどけるわけがなく逃げようがない。もう5分もとうに過ぎている。

静雄が満足いくまで待つか、言葉で宥めるかしか無い。
早く抜けられる確率が高いのは…前者な気がする…。

素直に抱き締められながら、飽きるまで待とうと決めた時だった。

さわり。
静雄の手が、服を捲って背中に触れた。

「え、ちょ…っ」

焦りと羞恥で暴れようとすれば、静雄の拘束が緩む。
その隙をついて逃げようとしたものの、腰を撫でる静雄の手に一瞬反応が遅れてしまう。

背中にあった静雄の手が臨也の胸に伸び、その突起に触れた。

「ゃ…っ、シズちゃん…っ」

びく、と肩を跳ねさせた臨也の顔は、見る間に真っ赤に染まる。
その反応に、ふ、と笑みを溢した静雄は、片方の乳首を摘まみ、指先で押し潰すように愛撫した。
びくびくと震える臨也のその突起はすぐに固くなり、更に敏感さを増す。
もう片方の、まだ慎ましやかな色をしている蕾をくわえて甘噛みしながら舌先で愛撫されれば、堪えられない声が溢れた。

「や、め…っ、行かなきゃ、だめなん、だってぇ…」

「帰りが遅いなら、朝出るのが遅くても問題ないだろ」

「問題だらけ、だし…っぁ」

口先は反抗しつつも、身体はその感覚に素直に反応してしまう。
正直なところ、この行為が嫌じゃないのも事実。
…でも。

「帰っ、て、来てからで、っはぁ…、良いだろ…
それに、玄関は、セックスするとこ、ろじゃ、っ、ないし」

「別に良いだろ、誰かが見てるわけじゃねぇんだから…」

何処か焦ったような上擦った声は、臨也の胸を甘く擽る。

「…10分」

「?」

呟くように紡がれた言葉に、静雄は突起を弄る手を止めないまま首を傾げる。
臨也は息を切らしながら、静雄を威力の無い目で睨んで言った。

「10分で、終わらせて…行くの、その後でいい、から…っ
仕方なく、なんだよ…?」

臨也の言葉に、静雄は笑った。
完全に見透かされているその笑みに悔しくもなるけれど、逃げるなんていう選択肢は既に自分の中に存在していない。
ここまで高ぶらされて放られるなんて、臨也としても遠慮したい。このまま好きにして欲しい。
楽しそうに歪んだその口元は、臨也の情欲をそそった。



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