15万打リクエスト

□Your Love Is Mine,
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翌日、臨也は静雄の家に来た。
たわいもない話をして、口喧嘩をして、笑って、キスをひとつ、ふたつ。楽しい時間というのは、簡単に駆け抜けていってしまう。
気が付けば、もう此処を出なければならない時間となっていた。

「じゃ、そろそろ行くよ」

そう言って立ち上がった時だった。

「用って、何だ?」

静雄が問いかけてきた。その言葉に、僅かに呆れる。

「仕事だよ、仕事。
昨日と同じ、粟楠会に」

「――…」

静雄の顔がしかめられた。
何、その顔。そう言ってやろうとしたものの…それは叶わなかった。


「っ、ふ…シ、ズちゃ…っ」

突然唇を奪われ、止めろ、と言おうと口を開けば、静雄の舌が口腔に割り込んだ。
くちゅ、と艶かしい音が唇から漏れ、嗅ぎ慣れた紫煙の香りが鼻を擽る。
静雄の口づけは、溶けるように甘くて優しい。
…でもなんだか、いつもの彼のキスと違う。

唇を重ねたままぐいぐいと押され、壁まで追いやられた。
壁に背がぶつかった時点で唇が離され、どうしたの、と問いかけようとしたものの。

声は、静雄の肩に吸い込まれた。
強く抱き締められ、骨が僅かに軋む。

「シズちゃん…?」


「行くな」


静雄は、ぽつりと言った。
四木との約束を思い出し、ハッとして静雄の肩を離そうとするも、静雄は一向に離れようとしない。
寧ろ肩を抱く腕は強くなり、痛みに顔を歪ませた。

「離して、って、遅れる」

「黙れ」

「な、んで、こんなことするの、仕事なんだから…」

何で突然こんなことをしてくるんだ。
約束に遅れたら、何を言われるか分かったものじゃない。

と、臨也を抱き締める腕が緩んだかと思えば、身体を回された。
壁向きに立たされ、静雄が何をしようとしているか、一瞬で答えが弾き出される。

「そんなことしてる時間、無いんだってば…!」

「手前は、俺と粟楠と、どっちの方が大切だと思ってるんだよ」

まるで、仕事と私どっちが大切なの、と彼氏に問い質す女の台詞みたいだ。

「それとこれとは、別だろ」

そう言ってやれば、静雄は眉をひそめた。
確かに静雄も大切だが、粟楠会との関係は良好に保っておいた方が良いことくらい、誰でも分かるだろう。勿論、静雄も然りだ。

いい加減にしてよ、と静雄を振りほどこうとした時だった。

かちゃり。
腰辺りで響いた音に、臨也が目を向けると、静雄の手があった。
静雄は後ろから伸ばした手で、ベルトを外していく。駄目だ、と止めようにも、静雄の力は臨也の比にならない。
あっという間に、下着まで下ろされてしまった。

「シズちゃ…っぁ…や、めて…」

静雄は、緩慢な手つきで臨也の熱を掌で包み込む。
その掌の感触を敏感に感じ取りビクビクと震えながら、臨也は壁にしがみついた。
時間が来てしまう。そう思うのに、身体は思うように動かない上に、素直に快楽を感じてしまう。
逃げられないのはもう、明確だった。



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