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□Monopolistic
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次の日。
静雄はいつも通り臨也と帰るために、教室まで迎えに来た。
教室を覗いて、他の人間より黒い姿を探しながら名前を呼ぼうとして、
静雄は固まった。
そこには、門田に抱きつく臨也の姿があった。
呆気に取られている静雄に気がつかないままらしい臨也は、門田に抱きついたまま。
楽しそうに見える二人の会話が聞こえないのが、唯一の救いだろうか。
呆れと代わるようにじわじわと沸き上がってくる苛立ちを落ち着かせようと、深呼吸をしていれば。
にこり、と笑みを溢した臨也は門田の頬に口を寄せると、
その唇を頬にくっつかせた。
ぷつん
頭の中で軽い音が聞こえた気がする。
しかし、そんなことに気を回す余裕なんて、既に静雄には無かった。
「臨也!!」
「へ?ああ、シズちゃん。
待っててね、今行くから」
そう言って門田から離れて、鞄を取ろうとした臨也は、
静雄に腕を引かれて鞄を取ることも出来ずにバランスを崩した。
「え、ちょっと…」
意味が分からず動揺する臨也を引き寄せると、
先刻門田の頬に寄せられた唇を、奪った。
「ふ!?…ん、…シズ、ちゃ…、ここ、ン…教し、ふ…んゃ……」
戦慄く唇に噛みつくようにキスをして、周りの視線なんて気に留めることも出来ないままに貪る。
抵抗してくる掌を捕らえて指を絡ませれば、臨也の指は意外にも素直に絡められた。
重ねて、離して、また角度を変えて重ねて。
唇を貪る自分すらも呼吸を乱しながら、ただひたすらにその柔らかな感触を求めた。
30秒近く続いた口付けを終えた頃には、教室は静寂に包まれていた。
赤ら顔の奴、はやしたてたい空気が滲み出ている奴、
色々いたが、静雄は気にすることなく臨也の鞄を抱えると、未だに放心状態の臨也を引いて、教室を抜けた。
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