15万打リクエスト

□てのひら。
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「いぃざぁやぁぁああ!!」

都内、池袋某所。
今日も、聞いた誰もが震え上がるような怒声が谺する。
その声を背に浴びながら、怖いなぁ、とふざけ気味に笑みを漏らした臨也は、自分を全力で追い回すバーテン服から逃げていた。


平和島静雄とは、高校の頃から犬猿の仲だ。
顔を合わせれば、喧嘩、喧嘩の毎日。
その仲の悪さは、側から見ていても恐怖を感じる。

…でも、いつからだっただろう。
シズちゃんに、恋心なんて抱いたのは。

確か、高校の時だった。
昼休み、友人の新羅、門田と、静雄との4人で過ごす時間が、いつからか1日の楽しみになっていた。
どうしてだろう、なんて考えた時、頭に浮かんだのが静雄で。
勿論、最初は認めたくなかった。
でも、そんなことを1度でも考えてしまえば意識してしまう。
――斯くして、俺はあの自動喧嘩人形を好きになっていたことに気がついた。

…でも、こんな喧嘩仲では、告白なんて出来るはずもなく、今日も、激しい喧嘩を繰り広げていた。



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