30万打小説

□煙草の味のキス
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満足げに微笑んだ静雄は、啄むように臨也の唇を奪い、それから容赦なく臨也の良いところを擦りあげた。だめ、出ちゃう。そう訴えるも、静雄は何も言わないまま前立腺を擦ると、昂りの先端を指で抉った。

「っああ!」

びくんと跳ねた臨也の昂りから、白濁が吐き出される。弛緩しようと緩んだ身体は、静雄の内壁をまさぐる指が三本に増やされ、そんな隙もなく再び強張った。萎える間もなく再び起立した自身の身体の浅ましさは羞恥を煽る材料でしかない。
…けれど、一度果てたものを再び無理矢理高ぶらされれば、もう理性なんてものは働けるはずもなかった。

「やぁ、しずちゃん…っひあ!ぁあ、も、そこばっかり…っ、やら、よぉ…っ」

「じゃあ、どうしてほしい?」

静雄の悪戯な瞳が、臨也を見詰める。胸がきゅうとして、臨也は思わず視線を逸らした。

「っ…はずかしい……」

「じゃあ、してやらない」

「うう…っ」

自分の単純さに腹が立つ。
…けれど、好きで。愛したくて、愛されたくて。奪われたくて、繋がりたくて。


「…しずちゃんに、挿れて、ほしい…」


どうにか囁けば、静雄は満足げに笑った。そして、少しも恥ずかしがることのないまま、可愛かった、と囁く。
俺はこんなにドキドキしてるのに。そう言ってやろうとしたけれど。
性急に指が抜かれたかと思えばすぐにあてがわれた熱に、臨也は思わず息を飲んだ。
つぷり、と濡れた音を響かせて、きつく張り詰めたそれが臨也の中に入り込む。身体中を占拠されるような感覚に、臨也は拳を握り締めて必死に耐えた。
腰を攻める鈍い痛み。呼吸すら詰まる圧迫感。もう無理だとおもうのに、静雄はまだ足りないと腰を沈める。
…それでも、静雄とひとつになると思えば、嫌じゃない。

静雄が動きを止めたのと同時に、手首を捕らえるコードの摩擦音が止んだ。
全て入ったのだろう。大きく息を吐いて強張って浮いていた背を床に預ければ、静雄はクスリと笑う。何だよ、と睨めば、静雄は臨也よりも一回り大きな掌で、乱れた黒髪に触れた。

「文句言っても、結局手前は俺に犯されるのが好きなんだな、と」

「っはぁ!?」

静雄の言葉に、頭がかぁっと熱くなる。さらに、反論しようと口を開いても何を言えばいいか分からない。熱に浮いた脳では、普段は無意識で回転するところまですらも届かない。
ただ、ひとつだけ、はっきり言えるのは。

「俺は、犯されるのが好きなんじゃなくて、シズちゃんとひとつになれるのが嬉しいんだよ!分からず屋!」

それだけ言い切って、更に反論の言葉を探そうと視線を逸らせば。

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