30万打小説

□ONLY ONE
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「ふ、ん…ぁ、はぅ…」

先端を舌先でつつかれ、臨也は身を捩って静雄の髪に指を埋めた。
もどかしい疼きが喉元まで締め付け、背骨を駆けて下肢を擽る。段々と熱くなる下腹に、臨也は理性を離さないようにと下唇を噛んだ。
この感覚が好き。もっと気持ちいいことをしたい、彼を受け入れたい、と身体の奥が煮え始める。けれど、醜態を晒すのはやはり少し恥ずかしい。
しかし、もう幾度と身体を重ねてきたのだ。静雄には、何処が弱いか、どうしたら臨也が恥ずかしがるか、全てお見通しで。

「ひあ…!」

静雄の手が、布越しの臨也の昂りを掴んだ。思わず身体を跳ねさせれば、静雄はニヤリと笑ってから、臨也の首筋に吸い付いた。鈍い痛みが、その肌を唇と同じ赤に染める。その間も静雄の手は臨也の昂りを撫で、ズボンのフロントを開くと下着の中に手を入れた。
普段の怪力を思わせない柔らかな手つきで、静雄は臨也のそれを撫でる。裏筋、先端、括れ、順々に熱を帯びていく身体に、臨也は震える喘ぎを溢した。

「手前、本当、声エロいよな」

「はぁ?っあ、シズちゃん、もっ…セックスの時の、こぇ…えろいけど…っア!」

ぎゅうと握り込まれ、臨也は小さく跳ね上がった。そのまま先端を詰られ、言葉にならない嬌声が漏れる。
我ながら女みたいな声だ。初めて受ける側に回った時は、自分でも吃驚した。
けれど、それを聞いた静雄は、可愛いけどエロい、と一言。恥ずかしいけれど、何故だか悪い気はしなかった。

「手前は素直に喘いでればいいんだよ」

色めいた囁きにふるりと震えれば、静雄は楽しげに笑った。
細やかな抵抗に、何だよ、と唸るも、静雄の手は臨也を下着まで剥ぎ、臨也のもので濡れた指を秘部へ滑らせる。
つぷ、と指先が入ってくる。ざわりと肌が粟立ち、臨也は震えそうになる腰をシーツに押し付けて、息を詰めた。

いつからそんなに淫乱になったんだか。
煩い、シズちゃんのせい、なんだから…っ
それは光栄だな。苛めたくなる。

ふと笑った静雄は、臨也の内部に更にもう一本指を埋めた。
腹の奥に蟠る熱と疼きが、臨也の理性を塗り潰そうとする。抗おうとするも、弱い場所に静雄の指が突き込まれ、押さえる間もなく嬌声が零れた。

「ひ、や!しずちゃ、んん…そこ、だめ、だってば、っあぁ」

もっと、もっとして。このまま、シズちゃんに溺れたいよ。淫らな欲望が理性を責め立てる。もっと、と言ってしまいそうになる。

「駄目、じゃないだろ?素直に言えよ、気持ちいいって」

「やっ、んン…ふぁ…っ、ひっ」

詰るような指に、臨也はふるふると首を振って静雄の胸にすがりついた。
静雄の指が触れる場所が、ひりひりと熱を持つ。腰から広がった震えは、指先まで犯すような疼きで臨也を満たしていく。
後孔を弄られただけで簡単に絶頂を迎えてしまいそうになる自分の身体が煩わしい。多分、シズちゃんに幾度も調教されてきたから。本当に、迷惑にも程がある。
…だとか、静雄の愛撫から意識をそらさないと、すぐに達してしまいそうだった。とは言っても、そんなことを思案しているからと快楽が逃がしてくれるはずがなかったのだけれど。
そしてやはり、その行動は裏目に出た。

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