30万打小説

□憂心ラプソディー
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「ん…ふ、ゃ…も、いいから…っ」

くちくちと、指の動きに合わせて濡れた音が部屋に響く。口付けの水音よりも幾分羞恥心を煽る音ともどかしいばかりの愛撫に、臨也の指は静雄の肩をぎゅうと掴んだ。
静雄はふと笑って、そんな臨也を見やる。

「んなこと言って、指だけでこんなになってるくせに」

自らの声も上擦っている。それに気がつき心中で苦笑しながら、空いていた手で臨也の昂りを握り、先端を親指で刺激した。
既に形を変えているそれは、鋭敏な感覚を持って臨也を苛む。やぁ、と甘い嬌声があがり、臨也の腰が揺らいだ。

「先に一回出しておけよ。手前は早いんだから」

「そんなこと…っひあ!や、んぁっ、あぁ…!」

自らを受け入れさせるために後孔に入れていた二本の指で前立腺を擦り昂りをぐいと扱きあげれば、臨也は瞬く間もなく追い詰められ、溜まっていた欲望を吐き出した。
さいあく、と呟き荒い息を繰り返す臨也から指を抜き、自身のものを取り出す。
愛撫も何もしていないというのに既に勃ち上がっている自身の単純さに苦笑を溢して、解した後孔にあてがった。淡い色で誘う入口は、物欲しげにひくりと震える。臨也もそれに気づいているのか、後頭部にあった枕で恥ずかしそうに顔を隠した。

「おい、顔見せろ」

「やだ」

「じゃあ無理矢理見る」

「やっ――あ、うぅ…」

言葉を遮って、先端を突き立てた。腰を沈めれば、つぷりと先端の膨らみが埋まっていく。臨也の下肢が強張った。
隙を見て枕を退かせば、真っ赤な顔の臨也と目が合う。痛みで眉間に寄った皺を指で撫でてやり、焦る気持ちを押さえて優しく言った。

「力抜けよ、息しろ、止めるな」

「、は…ふあっ、はぁ、はあっ」

「いい子だ」

痛くないように、ゆっくり挿入していく。熱い内壁は静雄の動きにびくびくと収縮を繰り返しながら、ようやく静雄を受け入れた。
臨也は荒い息を繰り返しながら、静雄をぼんやりと見上げる。しかしハッとしたように眉をつり上げると、静雄の胸を力無く拳で叩いた。

「ばかっ、俺喋ってる時に動かさないでよ…っ」

「あ?だって、その方が情けない声あげるだろ?」

「情けないって…!」

その反応に思わず笑みを溢しながら、真っ赤な耳元へ唇を寄せる。なに、と警戒を滲ませて言った臨也へ、静雄は囁いた。

「嘘だ。可愛いからに決まってるだろ」

「〜〜っ、死ね」

そういう反応が好きなのを知らないで、そうやって無意識に誘うものだから。
静雄は堪らず、腰を揺すった。ひっと息を飲んだ臨也のつり上げていた眉は一瞬で下がり、静雄の肌蹴たシャツをぎゅうと握り締める。
始めは慣らすように揺すっていた腰は、そのうちに貪るように臨也の奥を突く動きに変わった。臨也の声も断続的なものになり、一層甘さを増していく。

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