30万打小説

□愛慾淘汰
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「はやくしてよ…!限界近いくせに、いつまでしてんのさ…!」

「手前のせいで、今でもイケそうな気がするんだよ、溜まったままだと気持ち悪ぃだろうが…!」

顔をしかめて言った静雄の言葉も嘘では無いようで、ズボンのフロントは張りつめていた。そんなことを言われれば恥ずかしいのは此方の方だ。
…そこで臨也はふと思いつき――込み上げる羞恥を押し込むと、手を伸ばした。
伸ばした先は静雄のズボン。風呂上がりのためルーズなそれを下ろし、そのまま下着まで下ろしてやる。
何してやがる、と臨也の腕を退けようとした静雄の腕を避けて、臨也は固く勃ち上がった静雄の昂りを握り締めた。

「っあ――」

低く艶かしい音が、静雄の唇から零れる。ぎゅう、と心臓を掴まれたような感覚がして、臨也はその手で上下に扱きだした。
静雄の身体が震える。吐息とともに唇から紡がれる色めいた声は、臨也の下腹すらも擽って苦しくする。
絶頂の近い静雄のペニスは固く熱い。自分は毎度こんなものを咥えさせられていたのか、と思えば、それに慣れた後孔は熱を欲しがるようにひくんと震えた。充分に教え込まれてきた自分の身体が煩わしい。

「っ…は、やべ…出る…!」

「、えっ」

無我夢中で擦りあげて、静雄の言葉に気がついた途端。
頭上の静雄が小さく呻く。ぱっと手を離すも意味はなく――

「っんン!」

臨也の手によって放たれた白濁は露になった臨也の腹部にも胸部にも白濁の跡を残し、赤く上気している臨也の頬にまで白い液を跳ねさせた。
勿論距離もあるため、顔まで跳ねた量もさほどではない。しかし予想外だったため、臨也は咄嗟に拭おうとして手についた残滓で逆に顔やら胸部やらを汚してしまう。

「っ、最悪!馬鹿!」

「手前がやったんだろ。…ほら、拭いてやるから諦めろ」

苦笑を漏らしながらの静雄の手に止められ、臨也は仕方なく静雄に拭ってもらうことにした。
…しかし、目が合えば静雄は止まる。何、と尋ねれば、にやり、と楽しそうな笑みが溢された。

「そのままでいいだろ、エロい」

「は!?嫌だよ、絶対に!なんでシズちゃんの精液で汚れたままじゃなきゃならないんだよ!
早く…ぅあっ」

不意に下肢に走った疼きに、臨也は言葉を遮られる。
見れば、静雄の掌が臨也の昂りを布越しに愛撫していた。
ぎゅ、と握られ、臨也は喉の奥からひぅと声を漏らす。一瞬で頭がぐしゃぐしゃになり、臨也は残滓に濡れた手で静雄のシャツを握り締めた。

「ひ、や…、濡れちゃう、からぁ…っ」

「手前も感じてるんじゃねぇか、人だけイカせやがって」

そう言った静雄の手は、一度で臨也の下着まで脱がせると、熱を持ち先端を湿らせたそれをおもむろに掴んだ。その突然の刺激に爪先を跳ねさせていれば、後孔にも静雄の骨張った指が差し入れられる。
親指で先端を刺激しながらの扱きと、知り尽くした場所への迷いのない愛撫に、臨也は女にも劣らない艶かしい嬌声を跳ねさせた。

「あ!ゃあ、んーっ、はぁあっ、あっ、ふぁあ!ぁあっ」

つい先刻までぐちゃぐちゃだったはずの頭は直ぐに真っ白に塗り替えられていく。
快楽を逃がそうとシーツに脚を押し付けるも、力は勝手に逃げていきシーツの上をするすると滑る。
臨也は手繰り寄せた静雄の首元にしがみつき、ひっきりなしに声をあげた。
白い肌が桃色に染まっていくのは視覚にも酷く官能的で、静雄は先刻萎えたものがまた勃ち上がってくるのを感じた。


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