リクエスト
□Necessity
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その出会いは、まるで必然だった。
「いぃざぁやぁああ!」
頭に響くような怒声を放ちながら、傷んだ金髪の下の鋭い瞳を、目の前を走る青年に刺す。
背後の青年から逃げる黒髪の青年は、その怒声をものともせず嘲笑を浮かべて振り返った。
「待つわけないよ、当たり前だろ?」
息も切らさずにそう言って、更に加速する。
しかし金髪の青年も置いていかれまいと、合わせて加速した。
偶然は、時として必然となる。
その必然が喜ばしかろうが、そうでなかろうが、逃れようの無い現実になる。
Necessity
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