リクエスト

□You Are Narcotic!
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何も言わない静雄を疑心暗鬼に見つめ続ける臨也が面白いと感じながらも、静雄は再び口を開いた。

「情報屋関係で、もう経験済みかと思ってたから」

「それとこれとは、別に決まってるでしょ!?」

怒ったように言った臨也は、下唇を噛み、
そしてきょとんとする静雄から視線を逸らし、口篭りながらも言葉を紡いだ。

「俺は…特定の好きな人としかしたく無かったから…っ」

何時もは意地っ張りな臨也の唇から紡がれた乙女のような可愛らしい台詞に、愛しさを感じる。
その頬へ掌を添えて指先で撫でれば、臨也は恥ずかしそうにしながらも静雄をちらりと見やった。
静雄は、優しい声で囁く。

「俺じゃ、駄目なのか?」

びくん、と、臨也の細い肩が跳ねる。
返答を躊躇い、唇を開きかけては困ったように少し閉ざして、を数度繰り返し、
漸く紡がれた言葉は、小さな肯定。

「シズちゃんは、いいよ…」

事実、高校からずっと、臨也は静雄が好きだった。
大嫌い、と否定し、それが癪に障って追いかける静雄。
そんな関係で、プライドの高い臨也が素直になれるはずも無く、つい2ヶ月前に静雄から告白されるまでずっと心にその想いを留めていた。

だから、静雄に迫られる行為に反対している訳ではなく。

「でも、ちょっと、怖いだけ…」

小声で呟かれた言葉に、どきりとした。
今まで、未経験の奴と身体を重ねた事はあったが、同じ台詞を聞いたとき、こんなにも可愛いと感じただろうか。
その身体を、ぎゅ、と抱き締めると、兎のように早い心音が伝わってきた。
その鼓動すら愛しくて、抱き締めたまま耳元で囁く。

「俺が大切にしてやるから」

「…シズちゃんじゃないみたい、クサいよ」

擽ったそうに、はにかみながら紡がれた言葉は否定ではなく。
額にキスを落とせば、臨也は恥ずかしそうに微笑んだ。




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