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□リリシズムな唇
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「でも煙草吸うのは良くねぇな」

「…だって、キスちょっとしか」

唇を尖らせて言う臨也の声を遮るように唇を重ねた。
けれど、触れるだけ。すぐに離れた唇に不満そうな臨也への耳へ唇を寄せると、静雄は囁いた。

「お仕置きだな」

「は?…っう!」

耳たぶへ噛みつけば、臨也は喉の奥から呻くような声を漏らす。
その身体を抱え上げると、静雄は煙草が吸いたかったことなどすっかり忘れて歩き出した。

連れてきたのは体育教官室。昼休みは教師は不在になるが、真隣の体育館では昼食を早々に取り終えた生徒がバスケットボールで遊んでいる。
静雄は臨也を机に下ろすと、そのまま上半身を押し倒した。机に置かれていたプリントがひらひらと床に舞い落ちる。

「ちょっと、先生、ここは…っ」

「お仕置きだ。生徒指導。」

「馬鹿じゃないの、こんなの――ん」

慌てて反抗する臨也の唇を奪った。
先刻はままならなかった舌を臨也の唇に忍び込ませる。ひくりと肩を震わせた臨也は、それでも待ち望んでいた熱に素直に舌を絡め返した。

「は…んぁ、ふ…んく、……はあっ」

まるでし損ねた分まで埋めるように、臨也の口腔を蹂躙する。
激しく舌を絡め、歯列をなぞり余すところなく舐めとかす。自身の口に導いて甘噛みをすれば、臨也は甘く鳴いて静雄のシャツをぎゅうと握った。

唇を離す頃には、飲み下せなかった唾液が顎を伝って首を滑っていた。それを舐めとり首筋に吸い付けば、赤い印が跡を残す。
臨也は制服で隠れない位置のそれに顔を真っ赤にして静雄を睨むように見やった。

「跡消えないだろ馬鹿!」

「俺のものだって印だ」

「恥ずかしいってば!」

騒がしい犬のように吠える臨也に、静雄は楽しくなりながらその唇に指先を添えた。眉を潜めた臨也へ、バレるぞ、と囁けば、臨也は恨めしげに唇をつぐむ。
…まぁ、黙らせないけどな。
静雄は心中でほくそ笑むと、臨也のシャツの中に手を忍ばせた。驚いてその手を退けようとする臨也だったが、臨也の手は静雄のネクタイで上に纏められてしまう。
ちょっと、と小声で訴える臨也を気にせず、静雄はシャツをたくしあげるとそこにあるまだ柔らかい蕾に触れた。

「ひ、ん…ん、ゃ…ふゥ…」

声を押さえながらも漏らされる小さな喘ぎに、静雄は誘われるように片方の蕾を唇に含ませた。
途端に跳ね上がった臨也。片方を舌先で先端を詰り、もう片方も苛めるように指で捏ねてやれば、臨也はきゅっと瞼を瞑って快楽を堪えるように自らの肩に顔を擦り寄せた。
その腰を空いた片手でなぞりながら、静雄は臨也の愛らしい反応を堪能する。
声をもっと聞きたい。そんな欲に任せて、腰を滑らす手でバックルを外した。驚いて身を捩るも無意味に近く、静雄の手はスラックスを下ろし下着も脱がすと、半ばまで勃ち上がった昂りに触れた。

「っあ…やだ、せんせ…っ、一緒にさわっちゃ…ん、ふぁ、んっ、ひぅ…」

必死に唇を噛んで言う臨也は妙に色めかしい。一緒に触られるのは嫌だと言う唇に相反して、昂りはすぐに起立し先端を潤ませた。
もっと苛めてやりたい。愛らしい反応を暴きたい。自分だけのものにしたい。
元から自分が大人の対応が出来るとは思ってもいないが、状況故かそんな気持ちが更に大きく膨らむ。

「何で嫌なんだよ?こんなに反応がいいのに。分かるだろ、自分の状態」

静雄は詰るように昂りの先端をぐりぐりと刺激しながら臨也にそう問いかける。
臨也は赤い顔を更に真っ赤にすると、バカ、と小さく呟いた。
しかし、こういう時の罵りは苛立ちすらしない。寧ろもっと苛めてやりたいと胸が騒ぎ出す。

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