30万打小説

□「満たしてよ」
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「ひァあ、やっ、んぁ…あ!ふ…ぅン」

バックルを外され、スラックスを下ろされ。外気に露になった昂りは静雄の手に刺激され、腹に付かんばかりに勃ち上がっている。堪えられない声は、呼吸するだけで勝手に唇を転がり落ちてきた。
緩急をつけながらしごかれ、臨也は下肢に蟠る熱い淫楽を逃がそうと無意識に脚を静雄の腰に擦り寄せる。
――と、不意に後孔に何かが触れて、臨也は跳ね上がった。ひゃあ、と情けない声をあげれば、静雄は目を細めて笑う。
それが静雄の指だと気がつき固まっていれば、静雄の腕が臨也の脚を持ち上げた。腰まで高く上げられ、静雄の視界にその場所が入っているのは一目瞭然で、頭が弾けそうになる。

「な、にしてっ!」

「濡らさないと痛いだろ。一緒に解すから、待ってろ」

どういうこと、そう尋ねようとすれば。

「ひぁっ…!」

ひたりと濡れた感触が後孔に触れた。それが静雄の舌だと気がつけば、恥ずかしいなんてレベルではなくなる。
唾液で濡らしながら入口を解す指は、つぷりと孔に入り込んだ。
指が内部で曲がるのが分かる。入ってくる指の感触に肌が粟立った。

「指増やして大丈夫か…?」

「、はぁ……いい、よ」

内壁を解す指が、二本、三本と増える。ばらばらに動かされ、腰が反った。くちゅくちゅと響く艶かしい音が耳を犯す。
乳首にもペニスにも触れられるのとは違う快楽が、腰の奥に生まれていく。初めは痺れるような痛みがあったものの、気付けば身体が震える甘い感覚だけになっていた。

「はぁ、あ…んン、ふ――あっ!?」

突然、今までとは比べ物にならない感覚が腰を這いずる。せりあがる射精感に、臨也は混乱してカーペットに爪を立てた。
ただ一点を突かれる度に、大袈裟かと思えるほどの嬌声が喉の奥から跳ね上がる。宛の無い震える手はカーペットに縋ろうとするも、ろくに掴めるはずもなくするすると滑った。
そんな臨也を静雄は小さく笑う。

「ここ、気持ちいいか?」

「ふゃあっ、め、あ!はあぅ…っ、んっ、しずちゃ…っ!」

ふるふると首を振る臨也の瞳からは涙が零れている。静雄はその涙を拭ってやると、解れたことを確認してようやく指を引き抜いた。
息を荒くしつつも安堵を浮かべた臨也は、次の静雄の行動をぼんやりと見つめる。

しかし露にされた静雄の昂りに、臨也は息を飲んだ。
それに気がついた静雄は、なだめるように臨也の頭を撫でる。

「怖い?」

「…ちょっと」

「…ちゃんと解したから大丈夫だ。力抜いてろ」

もう、戻らせない。
そう吐息とともに呟いた静雄は、臨也の後孔に昂りを添えた。
突き立てられた熱が、ゆっくりと入ってくる。痺れるような痛みが腰を突き抜け、臨也は思わず息を止めた。

「いっ…!」

「大丈夫、息しろ」

静雄の瞳が、優しく見つめる。
言われた通り呼吸をすれば、静雄はいい子だと呟いて再び挿入を始めた。
痛い。熱い。指とは全く違う感覚に、内臓を貫かれるような錯覚に陥った。
シズちゃんが、ゆっくり入ってくる。痛いけれど、ほんの少し怖いけれど。

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