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□かなしき人へ、
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***

池袋には、懐かしい怒声が谺する。
ある人はまた始まるなんて、と落胆するかもしれないし、ある人はまた始まったのか、と嬉しくなるかもしれない。
臨也は愛着のあるナイフを片手に、鬼のような形相で追いかけてくる静雄から逃げる。

――元通り?いや、そうじゃなくて。

喧嘩が落ち着いたら、二人で歩こう。適当な所でお喋りもいいかもしれない。
そしたら、シズちゃんの家に行って、
甘い、甘いキスをしようか。

まるで夢のような、でも決して夢ではない幸せを胸に抱きながら、臨也は微笑んだ。
綺麗と形容するのも憚られる光を宿して、この上なく、幸せそうに。






END
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