大空のボックス

□病院
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「・・・2本もあるのにかい?」


「あっ、病室の方に買出し頼まれて・・・。」

「ふ〜ん。病室どこ?」

「えっ?」

「何処?」

有無を言わずさっさと言えと目で訴えられ自分の部屋番号をいうと雲雀さんはさっさと行ってしまう。
それからジュースを買い部屋に戻ろうと角を曲がると今度は自分の病室で何故か先生たちが数人立っていた。
マツバをつきながら戻っていると看護婦や医者がこちらに気づくと慌てて近づいてくる。

「これは沢田様。さっ、こちらにお乗りください。」

だされたのは車椅子。
急な態度になになど感じていると医者達は無理矢理車椅子に乗せ部屋の前を通過する。
一瞬だが、見えた病室がすこし血の海だったのは見なかったことにした。
部屋を通過して奥部屋の日当たりのいい部屋に案内された。

「雲雀様。お連れしました」

「ひばっ!!!!?」

その言葉によく見るとベッドで横になっていた雲雀さんが起き上がりこちらにくる。
看護婦から車椅子の綱吉をとりあげる。

「もういいよ。しばらくここ一帯に近づかないでね」

「はい、警備隊を配置させますのでごゆっくりと」

全員が一斉にお辞儀をするとそそくさとでていく。
顔をあげ強制的に見上げる状態になってみていると雲雀さんはにっこり微笑んだ。
その笑みに少し照れてしまった。
相変らずカッコいい。
そんなことを思っているなど決して言わない。
気持ち悪いと思われるのが嫌だから。


俺は元々雲雀さんに憧れていた。
以前、不良に絡まれているところを助けてくれたあの時から。
そんな単純なこと。
そんな思いにふけっていると雲雀さんは車椅子から抱きかかえた。

「えっ、俺、歩けます!!」

「五月蝿い。騒がないで」

バタバタしている間にベッドに運ばれた。
個室でゆったりできる広さ。
ふわふわの布団に枕にすごく感動していた。

「ここだと安静にできるだろ?」

「はい・・・。ありがとうございます。」

嬉しく微笑むと雲雀さんは凄く驚いた顔で見ていた。
雲雀はベッドの上にあがりツナをまたがる。
その行動に真っ赤になり混乱している。

「えっ・・・えっ!!」

「君が悪い。僕を興奮させた君が」

雲雀の顔がだんだんと近くなり唇と唇が触れ合おうとしたときだ。
すっと口に何かがふさがる。
キス?
いや・・・マスク!!?

「雲雀、あれほどツナには手をだすなと言っただろ?」

「知らないね。それにこれはこの子が悪い」

いつの間にか登場した窓際にいたリボーンに慌てて身体を起こした。
雲雀も興ざめしたのかツナのうえから降りて備え付けられていたソファに座る。
そして2人でこそこそとなにかを話している。
そんな光景を見ているとお見舞い組み(五月蝿い問題児組)がぞろぞろとツナのお見舞いに現れた。
外の警備員がぼこぼこになっていたのは全員を見送ったその後に沢田は知る。
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