頂き物・捧げ物
□『繋いだ手』
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「ヒューゴ、何か欲しいものとかないか?」
「………。」
黙り込んだヒューゴに、シーザーはふっと息を吐くとおもむろに立ち上がった。
「――!」
驚いて振り返れば、そこには柔らかな笑顔。
くしゃくしゃと、頭を撫でられた。
「氷水でももらってくる。少しでも冷やした方が楽だろ?」
大人しく待ってろよ。と一言付け加えて、ドアへ向かうシーザー。
「あ…っ」
自覚する間もなく、気がついた時にはシーザーの服の裾を掴んでいた。
「ん?どうした?」
「え…?えっと…」
自分の行動に驚いて、慌てて手を離す。
「何か欲しいものでもあったか?」
「そういうわけじゃ…ないんだけど…。」
シーザーが身を屈めて問う。
「何だよ?言わないと分からないだろ?」
「――っ」
言葉に詰まって…けれど観念してぽつりとヒューゴが言葉を紡いだ。
「…氷水なんていいから…寝るまで傍にいてって言ったら…困るよね?」
あまりにも弱々しく発せられたヒューゴの言葉に、シーザーが一瞬驚いた顔を見せる。
「//や、やっぱりいい!何でもない…っ」
恥ずかしさからか、ふとんに顔を埋めるヒューゴにくすりと笑んで、シーザーは傍に腰を下ろした。
「分かった。傍にいるから顔隠すなよ。」
「…ありが、とう。」
「どういたしまして。」
ふとんから少しだけ顔を覗かせて、そう呟くヒューゴにたまらなく愛おしさが込み上げた。