Eden

□第八章
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無機質な機械音が響く。ディスクや細切れにされたファイルが乱雑に散らばる室内には、大人一人が入っても平気な程の大きさの研究カプセルがあった。

その内部で、半透明の液体の中をたゆたう小柄な少女の虚ろな瞳にうつるのは一体どんな世界か。

研究室だったように思われるこの部屋の空気は淀み、重い。言うならば部屋全体がその他全体を拒んでいるかのように。

積もった埃を抉るように重い扉が開かれ、招かれざる来訪者が嗤う。


「久しぶりだね、“桜ちゃん”」


さぁ、君をこんな姿にしたお兄様に会いに行こう。と、声を出さずに唇だけで紡がれた言葉に、答える声は無い。

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