Eden
□第七章
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海
賊
の
国
ブ
リ
タ
|
ニ
ャ
「《戦争》…即ち全面武力抗争。どうするんデスかヒュウちゃん」
「知るか面倒くせぇ。お前やれ」
「嫌デスよ。種撒いたのはヒュウちゃんでショウ」
一触即発の空気が漂い、Edenの船員達にも緊迫した空気が流れる中、船長と船医はどこまでもマイペースだ。いっそ尊敬に値する程に。
「このクソガキ馬鹿にしやがって…全身その赤い髪と同じ色に染めてやろうかぁっ?ぅぷっ」
ラギーがでっぷりと太い右腕を上げたのが、合図になった。皆それぞれに武器を持ってEdenに乗り移ってくる。
アーサーは背中にかばう二人をちらりと見やると、細身のレイピアに手をかけながら、ユゥリの耳元にそっと囁きかけた。
「ここは我々に任せて。ユゥリ君はお嬢様と中へ。頼んだよ」
「サラ、行こう」
「うん」
ユゥリがサラに手を差し伸べる。サラは一見普段通りにも見えたが、つないだ手は微かに震えていた。
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