Eden
□Another Story
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憎かったのだ。この世界が。
憎かったのだ。自分自身が。
海の底に沈んだ亡國で、
この蒼い世界で唯一の
機械と科学に恵まれた国。
自分達は、孤児だった。大人なんて吐き気がする程嫌いだったが、妹を守る為に、「オトナノセカイ」へ身を投げた。僕の頭脳は異常だったらしく、すぐにヤマト国の特殊組織《暁》に配属された。
研究なんて、ヤマト国なんてどうでもよかったはずだった。ただ、二人で生きていければ。
やがて年が立つにつれ、研究室に籠もる時間が増えた。彼女との時間は減っていた。当時の自分はそれに何の疑問もなかったし、彼女もいつも笑っていたから。
大丈夫だと、
思い込んでいたんだ。
死に支度をしよう。今度こそいつでも君のそばにられるように。もうこの手から離さない。もう、二人を傷付けるものは、何もない。
そう、思っていたんだ。
あの銀の狼と、海色の瞳を持つ少年に出会うまでは。海を駆ける楽園に、囚われるまでは。
××××
船医さんの過去はこんな感じイメージな予定(曖昧)
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