Eden

□Another Story
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願っても叶わないことってあるだろう?どんなに伝えたくても、もう伝わらないこととか。


例えばおれの瞳は、左右の色が違う。ほとんどの人が、気味悪がった。『悪魔の子』だと、罵った。


特に、『かあさま』の親戚たちはおれを疎んだ。まぁ、今ならわからなくもない。


早くに両親を亡くした彼女は、若くして高い地位と遺産を背負った。彼女は子供を産めない身体…それなのに突然、おれという養子が現れた。奇妙な力を持つ、オッドアイの子供。悪魔の子。


貴族の大人達で親しくしてくれたのは、彼女とウィンダム家のアーサーさんだけだった。血はつながっていなくても、おれは、おれに名前をくれた彼女が大好きだった。



そんな大切な人も、突然いなくなるんだ。もう笑ってくれないんだ。もう怒ってくれない。ごめんなさいもありがとうも言えない。



彼女が拾ってくれた命だから。
おれは、生きようと思った。叶わないことも多いけど、せめて大切なものは大切にして、前を向いて、生きる。それでいいと思っていた。



今日も今日とて、おれは蒼い空に見下ろされながら約束の場所へとひたすら走る。



左右で違うこの瞳を。笑顔で『綺麗』だと言ってくれた…


…大切な、友達に会うために。







××××

どうしたら主人公らしくなりますか。(←聞くな)

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