Eden

□第六章
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機械に囲まれた無機質な空間。その中心に音もなく現れたのは真紅の魔法陣だった。そして、その上に立つのは、


銀色の髪に
真紅の瞳の


「…ここは……どこだ?」


精巧な人形かと見間違うほどに整った容姿を持った、誰か。

中性的な美貌の彼は、その骨格と声から男性であることがわかるが、体付きも華奢でどこか儚い。


「…生命の気配が……無い。」


ふと、彼は目の前のガラスに手を触れた。ガラスの向こう、液体の中でチューブやコードにつながれた少女の虚ろな瞳が彼を見下ろしている。


「……呼んでいるのか?」


それに応えるように、少女の指がピクリと動いた。彼を求めるように、ゆっくりと手を伸ばす。

真紅の瞳が紅い輝きを放つ。彼は、まるで少女の手に身をゆだねるように…瞼を閉じた。

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