Eden
□第四章
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花
の
愛
を
獅
子
に
捧
ぐ
「ユゥリ、見られてる!私たち、すごい見られてるわ!」
船を抜け出してベールタウンに入ったユゥリ達は、自分たちに向けられるネチネチとした視線と戦っていた。
勢いで飛び出してきたはいいが、今更ながらにアーサーの言葉を思い出す。
《一般人には危ない》
もし捕まったりしたら、どこに連れ去られるか。人身売買、臓器販売…いまいち実感がわかない言葉が頭に浮かぶ。
「…怒られるだろうけど、早くヒュウさん達と合流するに越したことはないな」
ユゥリは、どうやら恐怖より好奇心の方が勝っているらしい幼なじみとしっかり手をつなぎながら人込みの中を走った。
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