Eden
□第三章
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夜
の
町
ベ
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ル
タ
ウ
ン
「まぁとりあえず要約すると、私が彼らに依頼して君達を迎えにいってもらったわけですよ」
アーサーに連れられてユゥリとサラがやってきたのは、広めのダイニングのような部屋だった。
木製の使い込まれてはいるが品の良いテーブルセットには、ハンバーグにサラダ、スープにパンといった食事が並べられている。
「でも…アーサーさんならそんなことしなくても公式に迎えを出せばよかったのでは?それに、サラはともかく孤児のおれまで…」
ユゥリの真っ直ぐな眼でアーサーを見ると、彼は色素の薄い瞳を懐かしそうに細めた。
「迎えの件はそうせざるをえなかったかったから。私個人の都合で、どうしても君達二人を私の目が届くところに、そして貴族達から遠ざけたかったんだよ」
ツプ…とナイフがハンバーグに飲み込まれ、一口大になったそれが優雅な仕草でアーサーの口の中に消える。
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