Eden

□第二章
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「いいデスね、この雰囲気…何度来ても気分が悪くなりマス」


にこり、

と、やわらかく笑うのは、だらしなく伸びたピンク色の髪に、くっきりとしたクマのあるやけに不健康そうな男だった。

品が良い黒のロングコートの下からは、よれよれの白衣が見え隠れしている。


「頼りにしている…Dr.サクラ」

「クヒヒヒッ…グランディエ侯も執念深い方だ……もう事故から九年も経つトイウのに、ネ」


豪華な調度品で統一された部屋で優雅に座っているのは、いかにも貴族らしい男性…グランディエ侯爵だ。

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