Eden
□第一章
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赤
髪
の
男
「何よいきなり…ってユゥリ!…ユゥリっ!?ユゥリってばー!」
力無く崩れ落ちたユゥリの身体をあわてて抱き止めた。
必死に名前を呼びながら周りを見回す。歪んだ丘の様子は、これから起こるであろう事態を予想させるには充分すぎた。
だが、サラに立ちはだかるのは岩の壁。さらに後方の絶壁はとてもじゃないが飛び降りられる高さではない。
「でも行かなきゃ。このままじゃ二人とも…!」
事態は言うまでもなく悪い方へと向かっていく。すがりたくても、すがる存在がない。もはやサラには悩んでいる時間はないのだ。
サラはユゥリの身体を支えながら、岩の壁へとにじりよった。
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