小説
□運命
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「兄者は、こいつらの肩をもつのか。」
「仕方無いだろう。」
(どうして我らのばかりが消されないのいけないんだ!)
「…っ」
一鍬は、小さく舌打ちするとその場から立ち去った。
「なんだ?一鍬の奴。」
「一鍬…。」
「このまま、いかづち流は消えてしまうのか。…!なんだ?」
夜、一鍬は旗を持ちそう呟きながら耽っていると突如、空から稲光が落ちた。
気になって落ちた場所に向かうとそこには洞窟がありちょうど、誰かが入っていたと思われる形跡があった。
「こんな所に洞窟が…?」
ゆっくりと入っていくと何体もの石像がおかれ、その内の一つを不審に思って見るとスパッと切られている。
それはどうやら、刀傷の様だった。
そして、そこから少しばかり奥の方に視線を移すと見覚えのある刀があった。
「これは…親父のではないか。」
ためらいながらも、それを手にして石像に向かって切り付けた。
「ここで、親父は修行を…っ」
憎い。
思い出しただけで憎悪が甦る。
親父に対しての憎しみが今もあるというのが自分自身、驚いた。