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□Bitter
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あまく




あまい




恋になあれ














‐Bitter‐














未だ建設中のミッドガル中枢にある神羅ビル本社。様々な重役やタークス等の社員が働いているが、その中でも市民の憧れの存在として象徴されているのがソルジャーである。


そして今日は特別な日という事もあり、開放されている神羅ビルのエントランスには一般市民である女性達の姿が目立っている。


「あの…セフィロスさんっていらっしゃいますか?」


一人の若い女性が神羅ビルの受付嬢にセフィロスとの面会を申し出る。手には綺麗にラッピングされたチョコレートを持って。


「面会のお約束はございますか?」

「いえ…その……」

「申し訳ございませんが、お約束が無い場合はお断わりしております」


しかし彼女はセフィロスと面識があるわけではない。彼女が彼に憧れて、ただチョコレートをプレゼントしたいだけだったようだ。


「あの、これ…ザックスさんに渡したいんですけど……!」


そしてまた一人、今度はザックスにチョコレートを渡したいと申し出る若い女性が受付にやってきたようだ。


「面会のお約束はございますか?」

「ないんですけどっ…どうしても渡したいんです!」

「申し訳ございませんが……」


今朝から何度目だろうと思いながらも受付嬢が丁重に断ろうとすると、次の瞬間チョコレートを持った女性の後ろに人影を見つける。


「え?もしかしてこれ俺に?」


首をかしげてその女性の顔を覗き込んだのはザックスだった。
あまりにも突然に、しかもこんな近距離とあっては悲鳴に近い声をあげてしまう女性。もちろん嬉しさのあまりのようで、ザックスの質問にもただ首を縦にふることしかできない。


「サンキュー」


恥ずかしさのあまりそのまま女性は走って行ってしまったが、様子を見ていた周りの女性達も同じようにザックスにチョコレートを手渡し始める。普段から女の子に優しい彼の人柄の良さに彼女達は惹かれ、憧れてプレゼントを渡しているのだろう。






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