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□Memories
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見上げた空
どこまでも続くそれは、
やっぱり吸い込まれてしまいそうで瞳を細めた。
でも、ね
わたし、ひとりで空
見上げてる。
―Memories―
星の声がいつもより近くで聴こえた気がした。瞳に映ったのは、わたしが知っている透き通った水色ではなく、深い海の底のような夜空にちりばめられた幾千の星。
夜空を見るまでは恐さが心を覆っていたけど、隣にいてくれるクラウドの瞳の色に似ていたから少し和らいだのかもしれない。
「………どうした?」
神羅から逃れ、ミッドガル・ハイウェイで彼らと共にミッドガルを出る決意をしたわたしにクラウドは声をかけて様子を伺ってきた。
きっと、ためらいがちに夜空を見上げた事が彼には異様に映ったんだと思う。
わたしはクラウドの瞳を見つめて心を落ち着かせた。その瞳は冷静さに隠した優しさがあるから。
「夜空、星、すごく綺麗」
「ああ……」
夜空とクラウドの瞳、似てるよねって言うとまた興味がないなんて言うけど。
また、おんなじだ。
瞳の色、空に似てるところ。
別人だって、わかってる。
でも、あなたを見ている。