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□もう一回、する?
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いつものように伍番街スラムの道を歩く。その足取りは軽やかで。
だって、帰ってくるって電話があったから。だから早く教会に行って待ってるの。
「あ……」
教会の扉を開けた先には待ち続けた、でも予想外の人物がいた。
「よっ!」
「ザックス!?」
いつもは私がお花の手入れをしていたら、満面の笑顔と一緒に会いに来てくれてたから。
「びっくり……待ってるって、思わなかった」
「うん。驚かせようと思って」
ザックスはいつもとおんなじように笑顔をくれる。今日はいつもよりもっと嬉しい気持ちになった。
「お花、手入れしていい?」
「いいけどー……」
「いい、けど?」
めずらしい。いつもなら私がお花を手入れしてる間は、何も言わずに見守っててくれるのに。
「今日は条件つきな」
「じょうけん?」
「俺がはね起きして、失敗したらやっていいぞ」
それって、すごく確立が低い条件じゃないかな。でも嬉しそうに話すザックスが何だか可愛かった。
「成功、したら?」
「先に俺とデート」
嬉しそうなのは、そのせい?
それなら、しかたないから条件をのんであげてもいいかな。