歌姫様

□名前 ☆
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その中から手頃な大きさを選び、それを縄に当てて、切る

「っ…!」

暫くすると、切れた

「切、れた…」

喜んでいる場合じゃない

「………」

リビングの扉に走り、ドアノブに手をかけて、開けようとした

「ッッ───!!!」

扉はガラス張り
かけた手はそのままに、冷や汗が流れる
ガラスの向こうには自分より大きいシルエット

「…っ……」
「貴教」
「!!!」

ひねられていくドアノブ

「や…っダメ!!」

すぐ両手で抑え、体で抑えるが力でかなうはずがなく、段々開いていく扉に、貴教は涙を流しながら叫ぶ

「嫌ッ!嫌や!!入ってきちゃダメっ!!」
「どけ」
「っ嫌やぁ!!!」

次の瞬間には思い切ら開けられた扉
体が飛ばされる様に前に倒れる

「何してるの?」

ガタガタ震えながら逃げていく貴教から目線を反らし、テーブルを見る
粉々になったコーヒーカップと、切れた縄

「…逃げようとしたんだね…貴教」
「…っ……」

震えながら立ち上がり、後退りする貴教に
一歩ずつ近付いていく

「ごめん…な、さい」
「何回謝るの?」
「ごめんなさ…っ…」
「逃げようとしたんだね…貴教?」
「嫌…や、っゃあ!!」

ソファーに足がかかり、背中から倒れ込んだ
そこに覆い被さるGackt

「嫌…っや…だぁ…」
「…逃がさない……」

Gacktの冷たい指が首に触れて、段々息が詰まっていくのが解る







 
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