歌姫様

□すれ違い ☆
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「それよりさ、腹減ってんじゃない?」
「あー、確かにメッチャ腹減ってる〜」
「今丁度コンビニ行ってきたんだ、弁当とか買ったけど食べる?」
「えぇの!?」

その笑顔に

「うん、あっためるね」

胸が痛む














「ごちそーさまぁvV」

温めた牛カルビ丼に即席味噌汁にお茶
体の小さな西川くんには丁度いい量みたいで、全部たいらげた時にはもうお腹パンパンだそうだ

「足りた?」
「全然足りたわ〜、もうパンっパンやで」

苦笑いの西川くん
ま、オレも食ったけどね

「あ、電話」

西川くんの携帯が鳴った

「いいよ」
「ゴメンな、は〜いもしもぉ〜しスナぁ〜?」

自分の眉毛がピクッと動いたのが解った
直さんから…?
せっかく2人きりなのに

「え?今から?」

しかも今から…?
会うの?

「う〜ん、でも…」

西川くんがチラリとこっちを見た
嫌われたくないから、優しいふりをする

「いいよ?オレもそろそろ帰るし」
「え…、帰るん…」
「え?」
「あ、いや…、うん、今から行くから…、ん、じゃあ……ね…」

何?
帰るのがおかしいの?
止めてよ
期待しちゃうじゃんか








 
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