歌姫様

□すれ違い ☆
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好きで好きで


どうしようもないのに







君はいつもどこに行くの






ねぇ







オレだけを見てよ

















君の瞳は何を写すの…?







































「ふぁ〜…、疲れた」

スタジオで1人
歌詞を書いていた貴教は、ペンを置き、足を組みながらソファーに座るとタバコを吹かし、充電しっぱなしの携帯をいじっていたその時、スタジオの扉が開いた
そちらに目をやれば

「あれ、西川くん」
「あ、郁央さんやぁ、やっほ〜〜う☆」

入ってきたのはタバコをくわえたままでビニール袋を持った、長身の男
男のくせに無駄に長いエクステを付け、細目でベーシストの渋谷郁央

「また居たんだ」
「なんや居たら悪いみたいな言い方やなぁ」
「え、違、あ、え、う」
「あはは、解ってるて、言葉のアヤやろ?」
「そ、そう!」

焦りまくりの郁央に、ケラケラ笑う貴教
この無邪気な貴教の笑顔に、胸がチクリと痛む
だって、この笑顔よりも更にいい笑顔があるのを知っているから
直に向ける笑顔
それが貴教の一番の笑顔







 
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