ふることふみのことづたえ

□夢
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 朝になっても太陽が昇らない、 真っ暗な世界。

 いつも明るく闇を照らしている月が、今は何故か陰っていて、毒々しく真っ赤に燃えていた。空に浮かぶその円がどんどん細くなっていく。その細い月はまるで、太陽が恋しくて仕方のない地上の者たちを嘲笑う口の形に見えた。

 そこは夜食国。
 光を陰に変える、長い長い常夜の国。赤い月と暗い影が笑う場所。


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