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□ずっと隣に
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目を覚まして隣を見下ろす。
今はもうすっかり馴染んだ黒が、白いシーツに埋もれている。
出会ったばかりの頃は嫌でしょうがなかったのに、今では隣にいることが当たり前になってしまった。
傍にいなければ、落ち着かない。
あの頃は、こんなコトになるなんて考えもしなかった。
『一刻も早く、コイツから解放されたい』
そんなことばかりを願っていたから。

「・・・・・・シキ・・・・・・」

小さく口内で名前を呼ぶ。
起こすつもりは無いのだが、たぶん起きてしまうだろう。
トシマにいた頃は、シキの眠っている姿なんて見たことも無かった。



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