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□朝の光
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はき出す息が白く染まる、真冬の早朝。辺り一面、真白に雪化粧をしている。

そして、その雪から生まれた精のように、白銀の髪と瞳、白磁の肌を持った、一人の少年が黒のコートを纏って立っていた。しかし、その身に纏う雰囲気は、春のように優しく暖かい。その少年――アレン・ウォーカーは微笑みながら、キンと冷え澄みきった青い空を見上げ、ある青年のことを想っていた。

少年と青年。この表現では年がだいぶ離れているようにも思えるが、実際は、2・3歳しか違わない。それでもこの二人には、この表現が一番合っているだろう。

アレンは、その容姿からも、持っている雰囲気からも、とても柔らかく優しい、子供のような感じがある。

それに比べて、青年――神田ユウのほうは、容姿や雰囲気からも、真冬の冷え切った空気のような厳しさがある。



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